言われやすい人、というのがいる。
私もそうだ。
キツめの冗談を言われてもヘラヘラしながら、かわしてしまう。
自分では平気だと思い込んでいるので、そうしているのだがある瞬間に、深く傷ついていることに気付く。
しかし、その頃には「いじられキャラ」的なものが成立しまっていて、言われることを拒否できなくなっている。
勇気を出して拒否したとしても、何故かこちらが「冗談の通じないつまらない奴」として扱われ、
周囲は反省することもなく、以前通りの態度を取り続ける、あるいはさらに悪化する。
ネットで調べると「言われやすくしているあなたが悪い」という結論を出している鬼畜な記事が時折出てくる。
きっと、書いている人も知らないうちに加害者側に回っていることに気付けていないのだろう。
現在進行形でイジられている人がその記事を読んだらどんな気分になるか、考えていない。
もしくは、あらかじめ人を傷つけるために記事を書いているか。
後者ではないと信じたいが、そればかりは分からない。
私が言いたいのは、そういうことではなくて、「言われやすい人」の身近にはきっと「言いたくなっちゃう人」がいるということだ。
彼らは大前提として、「言いたくてたまらない」のだ。
人より優れているという自信がなくて、甘えたくて、不安で、不満で、誰かにその気持ちをぶつけたくて…。
そういう気持ちを発散するために、言いたい放題言える相手を探している。
たまたま「言われやすい人」に遭遇したら「チャンス!」と言わんばかりに言いまくる。
言わせてくれる人に言いまくっているうちに、「これくらいなら許される」と勘違いする。
仲良くもないし、信頼関係もないのに、やたらといろいろ言ってくるめんどくさいだけの人は
相手が不快に感じ、言われる筋合いがないと感じていることに気づかない。
知らず知らずのうちに「言われやすい人」は「言いたくなっちゃう人」を甘やかしている。
ワガママなお子ちゃまのお守りをしている状態だ。
これは性別、年齢、社会的な立ち位置等、関係ない。
そして、ある日突然、言われる人に限界が来て「もうやめて」と拒否したとすると、拒否された方は傷付いてしまう。
甘えられなくなってしまうから、いじけてしまうのだ。
まあ、言われ続けて散々傷付けられた方からすればかなり迷惑な話ではあるのだが、そうなのだ、たぶん。
しかも、「言いたくなっちゃう人」は割と社会的にはしっかりしている人(特に男性)だったりするので、タチが悪い。
甘えている自覚のない人に指摘すると逆ギレして、あることないこと嫌なことを言って傷つけようとしてくる。
容姿とか相手の社会的な劣っている部分とか、個性とか、とにかく攻撃する。
下手したら社会的地位を利用してお説教してくることもある。
でも、そんなお説教も結局は「なんで甘えさせてくれないんだよう!バブー!」という訴えなので、無視する。
こちらからすれば「知らんがな」の極みである。
甘えたい人は、自分に甘えるか甘やかしてくれる人を探すしかないのだ。
嫌がっている人を無理矢理引きずってきて、いじめるのはアウトだ。
「言われやすい」ということで悩んでいる人、以上を踏まえて、改めて考え直して欲しい。
環境というのは非常に重要で、相手をバカにしたり下げたりするようなことが許されている雰囲気が漂う現場は、本来の機能を果たしていない。
さっさと違う場所に移ることをお勧めする。
自分の感覚を頼りにした方がいい。
その環境に染まってしまった人々の言葉はゾンビの譫言である。
今日はここまで。